離婚が決まったとき、家をどうするかは大きな判断です。住み続けたい気持ちがあっても、条件が整わなければ選べません。逆に、手放すしかないと思っていた家に住み続けられることもあります。

まず必要なのは、査定額とローン残高の関係を知ることです。ここが分からないまま話し合っても、決まりません。残高との関係は住宅ローンのページで試算できます。

先に確認する2つの数字

調べるもの どこで
ローン残高 金融機関に残高証明を依頼する。返済予定表でも分かる
家の見込み額 不動産会社に査定を依頼する。複数社に出すと幅が見える

査定は無料で受けられることが多い手続きです。売る決断をしていなくても、依頼して構いません。この2つがそろって初めて、選べる道が分かります。

3つの道

成立する条件 主な注意点
住み続ける 誰かが返済を続けられること 名義とローンの関係が残る。相手の返済に左右される
売る 売却額でローンを返せる、または不足分を用意できる 引っ越し先と費用が必要
引き継ぐ 引き継ぐ側に返済能力があり、金融機関が承諾すること 審査に通らないことがある

住み続ける

もっとも生活が変わらない道ですが、契約上の関係が残ります。名義、債務者、連帯保証人の3つを分けて確認する必要があります。詳しくは夫名義の家に住み続けられるかにまとめています。

売る

売却額がローン残高を上回れば(アンダーローン)、返済して残った分が財産分与の対象になります。下回る場合(オーバーローン)は、不足分を用意できるかが分かれ目です。

用意できない場合、金融機関の同意を得て売却する任意売却という方法があります。返済が滞ってからでは選択肢が狭まるため、滞納する前に相談したほうが取れる手段が多くなります。

引き継ぐ

名義とローンの両方を一方に集める形です。もっとも安定しますが、金融機関の承諾と審査が必要です。借り換えで対応する方法もあり、この場合も審査は同じです。

通るかどうかは、実際に相談してみないと分かりません。早めに可能性を確認しておくと、その後の話し合いが具体的になります。

貸すという選択について

住まずに賃貸に出すことを考える方もいますが、住宅ローンは本人が住むことを前提とした契約です。無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められる可能性があります。検討する場合は必ず金融機関に確認してください。

金融機関にいつ連絡するか

連絡すると不利になるのではと心配される方がいますが、逆です。名義変更、借り換え、任意売却は、いずれも金融機関の関与なしには進みません。黙って進めた結果、契約違反を指摘されるほうが状況は悪くなります。

連絡する順番としては、査定額とローン残高を把握し、どの道を検討したいかを整理してからのほうが話が早く進みます。

税金と登記

離婚に伴って不動産を渡す場合、渡す側に譲渡所得の課税が生じることがあります。また、住宅ローン控除の扱いが変わる場合もあります。国税庁が離婚して土地建物などを渡したときの取り扱いを案内しています。金額よりも、どの時点で何を確認すべきかを先に押さえてください。

名義を移す場合は登記の手続きが必要です。離婚成立後に手続きしないまま時間が経つと、後から連絡が取れなくなることがあります。

今日できること

  1. 金融機関に残高証明を依頼する
  2. 不動産会社に査定を依頼する。できれば複数社
  3. 登記事項証明書とローン契約書で、名義・債務者・連帯保証人を確認する
  4. 3つの道のうち、条件的に選べるものを絞る
  5. 引っ越す場合にかかる費用を書き出す

1から3は、話し合いを始める前に自分で進められます。