結婚していない相手との間の子どもについては、先に認知が必要です。認知があれば民法788条により民法766条が準用され、このページの内容がそのまま当てはまります。手順は未婚の場合の養育費と認知にまとめています。

養育費の話し合いで、金額だけ決めて終わりにしてしまう方が多くいます。ところが後から問題になるのは、たいてい金額以外の部分です。いつまで払うのか、大学に進んだらどうするのか、収入が変わったら見直すのか。決めていなければ、そのたびに交渉し直すことになります。

ここでは、取り決めに入れておく項目を一覧で整理します。金額の目安は養育費のページで試算できます。

決めておく項目

項目 決めておく内容
金額 子ども1人あたりか、合計か。複数いる場合は必ず分けて書く
支払日 毎月何日か。月末か月初かで生活の組み方が変わる
支払方法 振込先の口座。手渡しにしない
いつから 離婚成立月からか、翌月からか
いつまで 「20歳に達する月まで」「22歳に達した後の最初の3月まで」など、日付が特定できる書き方で
進学費用 入学金、授業料をどう分担するか。月額とは別に協議するのか
特別な出費 病気、けが、留学など。上限を決めるか、その都度協議か
見直し どんなときに協議するか。再婚、転職、収入の大きな変動など
遅れたとき 連絡方法。何か月滞ったらどうするか

「いつまで」は曖昧にしない

もっとも揉めるのがここです。「成人まで」と書くと、いつを指すのか争いになります。年齢と時期が特定できる書き方にしてください。

大学に進むかどうかは、取り決めの時点では分かりません。だからこそ「進学した場合は別途協議する」と一文入れておくかどうかで、その時の立場が変わります。

子どもが複数いるとき

合計額だけを書くと、上の子が終期を迎えたときに残りがいくらになるのか分かりません。1人あたりいくらかを書き分けてください。

ここまでの項目は、財産分与や慰謝料とあわせて1通の書面に書きます。まとめて確認したい場合は離婚協議書に書くことをお使いください。

書面の形で、その後が変わる

同じ内容を決めても、どんな形で残したかによって、支払いが止まったときにできることが変わります。

形 支払いが止まったとき
口約束 証明が難しい。取り決め自体から作り直しになる
私的な書面 取り決めは示せるが、そのままでは差押えに進めない
公正証書(強制執行認諾文言つき) 裁判所の手続きを経ずに差押えへ進める
調停調書・審判書 同上。履行勧告も使える

公正証書にする場合、「強制執行認諾文言」が入っていなければ意味が薄れます。「債務者は本証書記載の金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する」という趣旨の一文です。これが無い公正証書は、私的な書面と扱いが大きく変わりません。作成時に必ず確認してください。

公正証書の作成費用や保証会社の利用料を補助する制度を設けている自治体があります。お住まいの市区町村のひとり親支援の窓口で確認してみてください。

一括で受け取る場合

将来の分をまとめて受け取る取り決めも可能です。ただし注意点があります。

  • 相手にまとまった資金がなければ成立しない
  • 受け取った後に事情が変わっても、原則として追加を求めにくくなる
  • 金額や名目によっては、税の扱いを確認する必要が出てくる

未払いの不安を避けられる一方で、その後の調整余地が小さくなります。どちらが有利と一概には言えません。

面会交流とは切り離す

「会わせないなら払わない」「払わないなら会わせない」という話になりがちですが、養育費と面会交流は別のものです。片方を条件にして取り決めると、後で両方が止まります。それぞれ独立した約束として書いてください。

協議離婚のときは、離婚届を出す前に

離婚届を出してしまうと、相手が話し合いに応じる理由が減ります。取り決めと書面化を、届出より先に済ませてください。順番を逆にして苦労するケースが多くあります。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の養育費請求調停があります。調停で合意すれば調停調書になり、公正証書と同じように差押えへ進めます。

今日できること

  1. 上の表の項目を書き出し、自分の希望を埋める
  2. 「いつまで」を、日付が特定できる言い方に直す
  3. 子どもが複数なら、1人あたりの額に分ける
  4. 公正証書にするか、調停にするかを決める
  5. 自治体のひとり親支援の窓口に、補助制度があるか聞く

すでに取り決めがあって支払いが止まっている場合は、養育費が支払われないときの手続きを確認してください。