養育費を決めたあと、状況は変わります。進学で費用が増えた、相手の収入が上がった、逆に減額を求められた、どちらかが再婚した。
いったん決めた額でも、見直しは可能です。ただし「気が変わった」では通りません。何をもって変更が認められるのかを整理します。金額の目安は養育費のページで試算できます。
変更が認められる考え方
判断されるのは「取り決めの前提となった事情が、その後に変わったか」です。取り決めの時点で分かっていたことは、原則として理由になりません。
| 事情 | 見られ方 |
|---|---|
| どちらかの収入が大きく変わった | 変化の幅と、それが続くかが見られる |
| 子どもが15歳以上になった | 算定の区分が変わる |
| 進学して費用が増えた | 取り決め時に想定していたかによる |
| どちらかが再婚した | 下記参照 |
| 相手に扶養家族が増えた | 考慮されることがある |
| 取り決め時から特に変化がない | 変更の理由にならない |
増額を求める場合
まず、何が変わったのかを具体的にします。「足りない」ではなく、取り決め時と比べて何がどう変わったかを示します。
- 相手の収入が上がったことが分かる資料。分からなければ、その旨を伝えて開示を求める
- 子どもの年齢区分が変わったことが分かるもの
- 増えた費用の内訳。学費、通学費、部活動費など
進学費用は、月額とは別に協議する取り決めになっていることがあります。まず取り決めの文言を確認してください。「進学時は別途協議する」と書かれていれば、それを根拠に話を始められます。
減額を求められた場合
応じる義務はありません。まず理由を聞き、資料の提示を求めてください。
- 収入が下がったと言うなら、源泉徴収票や確定申告書で確認する
- 自発的に退職したのか、やむを得ない事情か。ここは見られ方が変わります
- 一時的か継続的か。数か月で戻る見込みなら、減額ではなく猶予で対応する方法もある
話し合いでまとまらなければ、相手が家庭裁判所に申し立てることになります。こちらから譲る必要はありません。
再婚したとき
受け取る側が再婚した
再婚しただけでは、養育費の支払義務は当然には消えません。再婚相手と子どもが養子縁組をしたかどうかが大きな分かれ目です。養子縁組をすれば、養親が第一次的な扶養義務を負う関係になり、減額や免除が検討されます。
養子縁組をしていなければ、実親の義務は続きます。どの条文がどう働くのかは、養子縁組をしたら養育費はどうなるかで整理しています。
支払う側が再婚した
再婚相手や、その間に生まれた子どもを扶養することになれば、扶養すべき人数が増えます。これは事情の変更として考慮されうるものです。ただし自動的に減るわけではなく、話し合いか手続きが必要です。
手続き
- まず話し合う。合意できれば、変更後の内容を書面にする。元が公正証書なら、変更も公正証書にしておく
- まとまらなければ調停。家庭裁判所の養育費請求調停で、増額も減額も扱われます
- 調停でも合意に至らなければ審判。裁判官が事情を踏まえて判断します
実務では、変更を求めた時点以降の分について検討されることが多いとされています。過去にさかのぼって取り戻すのは難しいため、事情が変わったら早めに動くことが大切です。
決まるまでの支払い
減額を求められている間も、いま決まっている額の支払義務は続きます。相手が勝手に減らして振り込んできた場合、それは未払いです。その分の記録は残しておいてください。
今日できること
- 取り決めの書面を出し、金額・終期・進学費用・見直しの条項を確認する
- 取り決め時と比べて何が変わったかを書き出す
- それを裏づける資料を集める
- 相手に伝える。日付が残る形で
そもそも支払いが止まっている場合は、養育費が支払われないときの手続きを確認してください。取り決めの項目そのものは養育費の取り決めで決めておくことにまとめています。