児童扶養手当の申請をしたあと、「いつ振り込まれるのか」が気になります。ここは制度の作りを知っておくと、家計の見通しが立てやすくなります。申請した月からすぐに入るわけではなく、まとめて後払いで届く仕組みです。順に整理します。
支払いは年6回、奇数月です
児童扶養手当法7条3項は、「手当は、毎年一月、三月、五月、七月、九月及び十一月の六期に、それぞれの前月までの分を支払う」と定めています。
ここから2つのことが分かります。
- 支払いは年6回。奇数月に行われる
- 各回で支払われるのは前月までの分。つまり後払い
毎月振り込まれるものだと思っていると、家計の組み方がずれます。2か月分がまとめて入ると考えて、月ごとの収支に均して見てください。
支給が始まるのは、申請した月の翌月分からです
もう一つ、条文に明記されていることがあります。
同法7条1項は、「手当の支給は、受給資格者が…認定の請求をした日の属する月の翌月から始め」と定めています。
この意味は重いものです。申請より前の期間について、さかのぼって受け取ることはできません。離婚が成立したのが4月でも、申請が7月なら、8月分からの支給になります。間の期間は戻ってきません。
「落ち着いてから申請しよう」と後回しにすると、その分だけ受け取れる額が減ります。離婚後の手続きのなかでも、優先度の高い項目です。順番は離婚後にする手続きと順番で確認できます。
申請から最初の入金まで、時間がかかります
この2つを合わせると、実際の流れが見えてきます。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 申請した月 | 認定の請求をする。この月の分は対象外 |
| 翌月 | ここから支給の対象になる |
| 次の奇数月 | 前月までの分が支払われる |
つまり、申請してから最初の入金まで、数か月かかることがあります。その間の生活費をどうするかを、申請と同時に考えておく必要があります。
審査に時間がかかる場合もあります。書類の不足があるとさらに延びるため、窓口で「次に何を出せばよいか」を必ず確認して帰ってください。
やむを得ない事情があったときの例外
「さかのぼれない」と書きましたが、条文には例外が置かれています。
児童扶養手当法7条2項は、災害その他やむを得ない理由で認定の請求ができなかった場合に、その理由がやんだ後15日以内に請求したときは、請求できなくなった日の属する月の翌月から支給を始めるとしています。
ここで大切なのは「15日以内」という区切りです。事情がやんでから時間が経つと、この扱いは使えません。入院していた、災害で動けなかったなど、申請できない事情があったなら、動けるようになった時点ですぐ窓口へ行き、その事情も伝えてください。
該当するかどうかは窓口の判断になります。自分で「これは対象外だろう」と決めず、事実をそのまま説明することが大切です。
入金までの間をどうするか
最初の支給までの期間は、ほかの制度と組み合わせて考えます。児童手当、ひとり親家庭等医療費助成、住居確保給付金、母子父子寡婦福祉資金貸付金など、窓口が別々になっていることが多いものです。
同じ日に複数の窓口を回れるよう、「ひとり親になったので、使える制度をまとめて確認したい」と最初に伝えると、案内を受けやすくなります。制度の一覧は離婚後に受けられる支援制度にまとめています。
それでも生活が立たないときの相談先については、生活保護の相談先と準備で整理しています。
支給が終わるのはいつか
始まりと同じく、終わりも条文に書かれています。
同法7条1項は、支給が「手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる」としています。子どもが対象年齢を超えた、受給資格を満たさなくなったといった事情が生じた月までです。
気をつけたいのは、事由が消滅したのに届け出ないまま受け取り続けると、あとで返還を求められることがある点です。再婚や同居の状況が変わったときは、迷ったら先に窓口へ相談してください。黙っていて後から分かるほうが、負担が大きくなります。
受け取り続けるための手続きもあります
一度認定されれば自動で続く、というものではありません。毎年、現況届の提出が必要です。提出しないと支給が止まることがあります(同法15条)。何を確認される書類なのかは現況届で確認したい点にまとめています。
また、受け取っている養育費は手当の判定に関わります。児童扶養手当法施行令により、受け取った養育費の100分の80に相当する額が所得として算入されます。
「税金がかからないから手当にも関係ない」と考えると、見込みが狂います。税の話と、手当の所得制限の話は別です。詳しくは養育費と税金の整理で確認できます。
引っ越すと、窓口が変わります
離婚後は転居を伴うことが多いものです。ここで手続きが途切れやすくなります。
児童扶養手当は市区町村が窓口です。別の市区町村へ引っ越すと、転出先で改めて手続きが必要になります。転入届を出しただけでは、手当の手続きは完了しません。
手続きが遅れると、支給が一時的に止まることがあります。引っ越しが決まったら、転出前の窓口で「転居先で何をすればよいか」を聞いておくと、空白をつくらずに済みます。
児童手当、健康保険、保育園の手続きも同時に動きます。まとめて確認できるよう、転居の予定が立った段階で一度窓口へ行くことを勧めます。
窓口で確認しておきたいこと
- 自分の場合、支給開始はいつの分からになるか
- 最初の入金はどの支払期月になりそうか
- 不足している書類は何か。いつまでに出せばよいか
- 所得の判定で、誰の所得が対象になるか
- 現況届の時期と、必要な書類
金額そのものは、所得や子どもの人数によって変わります。窓口では額を聞く前に、いつから対象になり、いつ入るのかを確かめておくと、家計の計画が立てやすくなります。手当の見方は児童扶養手当の確認ポイントにまとめています。
支給日を知ることは、単に日付を知ることではありません。申請が1か月遅れると、その1か月分は戻らないという仕組みを知ることです。離婚が成立したら、早めに窓口へ行ってください。




