離婚で家をどうするかを話し合うとき、最初に必要なのは2つの数字だけです。ローンがいくら残っているか、家がいくらで売れそうか。

この2つが出るまで、住み続けるかどうかも、財産分与で家をどう扱うかも決まりません。逆に言えば、この2つがそろえば話は一気に進みます。判断そのものは家をどうするか(住む・売る・引き継ぐ)にまとめています。

1. ローン残高を調べる

方法 入手先
返済予定表 契約時に交付されている。手元にあれば今後の残高が分かる
残高証明書 金融機関に依頼する。年末に発行されることもある
ネットバンキング 取り扱いによっては画面で確認できる

自分が債務者または連帯保証人であれば、照会できます。相手名義のローンで自分が関与していない場合は、相手に開示を求めることになります。

見るのは今日時点の残高です。当初の借入額ではありません。また、繰り上げ返済や借り換えをしていれば当初の予定表とずれます。

2. 家の値段を調べる

不動産会社の査定

多くの場合、無料で受けられます。売ると決めていなくても依頼して構いません。

  • 机上査定。周辺の取引事例から算出する。早いが幅が大きい
  • 訪問査定。実際に見て算出する。時間はかかるが精度が上がる

複数社に依頼してください。1社だけだと、その額が高いのか低いのか判断できません。3社ほど取ると、おおよその幅が見えます。

査定額は売値ではない

査定額は「この価格なら売れそう」という見込みです。実際の成約額は下回ることがあります。また、売却には仲介手数料や登記費用がかかるため、手元に残る額は査定額より少なくなります。

固定資産税評価額との違い

固定資産税の納税通知書に書かれている評価額は、税を計算するためのもので、市場で売れる価格とは別です。一般に市場価格より低くなる傾向があります。これを根拠に話を進めると、実態からずれます。

相手が固定資産税評価額を持ち出してきた場合は、査定書を用意して比べてください。

2つの数字が出たら

状態 意味 財産分与での扱い
アンダーローン
(家の値段 > ローン残高)
売れば手元に残る 差額が分ける対象として検討される
オーバーローン
(家の値段 < ローン残高)
売っても債務が残る プラスの財産としては扱いにくい

アンダーローンなら、売却して差額を分ける、住み続ける側が差額の半分を渡す、といった選択肢が出てきます。どちらの状態かで話の組み立てが変わるため、感覚で進めないでください。

この数字をもとに分け方を話しても合意に至らない場合は、家庭裁判所の財産分与請求調停という手続きがあります。その場でも、残高証明と査定書がそろっているかどうかで説明のしやすさが変わります。

オーバーローンの家の扱いはオーバーローンの家は財産分与でどうなるかにまとめています。何が分ける対象になるかは分けられる財産・分けられない財産で確認できます。

調べるときに気をつけること

査定を依頼すると、営業の連絡が来ます。売る意思が固まっていない段階では、その旨を最初に伝えておいてください。

相手に知られたくない場合の扱いも考えておいてください。訪問査定は家に人が来ます。机上査定なら訪問はありませんが、精度は落ちます。

名義が相手単独の場合でも、査定を受けること自体はできます。ただし売却には名義人の関与が必要です。

今日できること

  1. 返済予定表を探す。無ければ金融機関に残高証明を依頼する
  2. 不動産会社2〜3社に査定を依頼する
  3. 固定資産税の納税通知書を出し、評価額を確認する(参考として)
  4. 2つの数字を並べて、アンダーローンかオーバーローンかを見る

自分がローン契約上どの立場かは、連帯保証人・連帯債務・ペアローンをどうするかで確認できます。