取り決めたのに振り込まれない。何か月か続いた後で止まった。連絡しても返事がない。養育費でもっとも多い困りごとです。
使える手続きは、取り決めをどんな形で残したかによって変わります。まずそこを確認するところから始めます。金額の目安は養育費のページで試算できます。
最初に確認すること
| 取り決めの形 | できること |
|---|---|
| 口約束のみ | まず取り決めを作り直すところから |
| 離婚協議書(私的な書面) | そのままでは差押えに進めない |
| 公正証書(強制執行認諾文言つき) | 裁判所の手続きを経ずに差押えへ進める |
| 調停調書・審判書・判決 | 同上。履行勧告・履行命令も使える |
手元の書類がどれに当たるかで、次の一手が決まります。まずは書類を出して確認してください。
あわせて、未払いが何月分から続いているかも書き出してください。養育費は1か月分ずつ時効が進むため、古い月の分から順に消えていきます。書面があっても放置した分は消えていくので、期間の考え方は未払いと時効の確認点で確かめておくと、回収できる範囲がはっきりします。
取り決めがある場合
1. まず連絡し、記録を残す
支払いを求めたことが分かる形で連絡します。メッセージやメールで構いません。事情があって一時的に払えないだけなのか、支払う意思がないのかで、その後の進め方が変わります。
2. 履行勧告・履行命令(調停・審判で決めた場合)
家庭裁判所で取り決めた場合、家庭裁判所に申し出ることで、相手に支払うよう勧告してもらう手続きがあります。費用はかからず、申し出も簡単です。
ただし勧告に強制力はありません。相手が応じなければ次の段階に進むことになります。まず試してみる価値のある手続き、という位置づけです。
3. 強制執行(差押え)
公正証書(強制執行認諾文言つき)、調停調書、審判書、判決があれば、相手の給与や預貯金などの差押えを申し立てられます。
養育費のような扶養にかかわる債権には、一度の申立てで、これから支払期限が来る分についても差押えの効力が及ぶ扱いがあります。毎月申し立て直す必要はありません。
差押えには、相手の勤務先や口座など、差し押さえる対象の情報が必要です。ここで止まってしまうことが多い部分です。
4. 相手の財産が分からないとき
裁判所の手続きとして、相手本人に財産を申告させる制度や、勤務先・金融機関などの情報を照会する制度があります。強制執行の前提となる書類がそろっていることが条件です。
「どこで働いているか分からないから諦める」という必要はありません。調べる手続き自体が用意されています。
取り決めがない、口約束だけの場合
差押えに進むことはできませんが、これから取り決めを作ることはできます。何を決めておくべきかは養育費の取り決めで決めておくことにまとめています。
- 話し合って合意できるなら、公正証書にする。強制執行認諾文言を必ず入れる
- 話し合いが難しければ、家庭裁判所の養育費請求調停を申し立てる
調停は、相手が応じない、連絡が取れない場合にも申し立てられます。合意に至らなければ審判に移り、裁判官が判断します。
過去にさかのぼって請求できる範囲は限られます。実務では、請求した時点以降の分が対象として検討されることが多いとされています。取り決めがないまま時間が経つほど、取り戻せる範囲は狭くなります。
自治体の支援
公正証書の作成費用や、保証会社を使う費用の一部を補助する制度を設けている自治体があります。内容も金額も自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村のひとり親支援の窓口で確認してみてください。
今日できること
- 取り決めの書類を探し、どの形かを確認する
- いつからいくら未払いかを一覧にする
- 支払いを求める連絡をし、記録を残す
- 相手の勤務先、口座など分かる情報を書き出す
- お住まいの自治体のひとり親支援の窓口を調べる
どの手続きに進めるのか判断がつかない場合は、相談窓口をご案内しています。