離婚後の生活費を考えるとき、自分の収入と養育費だけで計算してしまう方が多くいます。実際には、公的な支援がいくつも用意されています。
手続きの順番は離婚後にする手続きと順番にまとめています。これらはほとんどが申請制です。該当していても、届け出なければ支給されません。ここでは、確認すべき制度を分野ごとに一覧にします。手取りの見通しは離婚後の生活費のページで試算できます。
子どもに関する手当
児童手当
中学生までではなく、令和6年10月分から高校生年代までが対象となり、所得による制限もなくなりました。ひとり親に限らず支給されます。
| 年齢区分 | 月額 |
|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円 |
| 3歳から高校生年代まで | 10,000円 |
| 第3子以降 | 30,000円 |
離婚して自分が子どもを育てることになった場合、受給者の変更手続きが必要です。元配偶者に振り込まれ続けることがあるため、離婚後すぐに市区町村へ届け出てください。
児童扶養手当
ひとり親家庭などに支給される手当です。所得に応じて全部支給・一部支給が決まり、子どもの人数で加算されます。
注意したい点があります。受け取った養育費の8割が所得として計算に含まれます。養育費を受け取ることで手当が減ることはありますが、合計では受け取ったほうが多くなるのが通常です。受け取らないほうが得になるわけではありません。
金額は物価に応じて毎年度見直されます。申請の際に、市区町村の窓口で最新の額を確認してください。
受給資格のほうも、暮らしの状況が変わると見直されます。とくに同居家族の変化は、事実婚で支給停止となる前の確認点で条文とあわせて整理しています。
ひとり親家庭等医療費助成
ひとり親家庭の親と子どもの医療費の自己負担分を助成する制度です。所得制限や助成の範囲は自治体ごとに異なります。子ども医療費助成とあわせて確認してください。
住まい
- 公営住宅。ひとり親世帯を優先的に扱う枠を設けている自治体があります
- 住居確保給付金。離職などで住まいを失うおそれがある場合に、家賃相当額を一定期間支給する制度です
- 自治体独自の家賃補助。ひとり親世帯向けの補助を行っている自治体があります
負担を減らす手続き
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 国民健康保険料の減免 | 所得が下がった場合の軽減。市区町村へ |
| 国民年金保険料の免除・納付猶予 | 所得が基準以下の場合。未納とは扱いが異なる |
| 保育料の軽減 | ひとり親世帯の軽減がある。所得区分の再判定を |
| 就学援助 | 学用品費、給食費、修学旅行費など。学校または教育委員会へ |
| 高等学校等就学支援金 | 授業料の支援。所得により額が変わる |
| 大学等の授業料等減免 | 大学・高専・専門学校の授業料と入学金。確認を受けた学校が対象 |
| 上下水道料金の減免 | 実施している自治体がある |
| 交通機関の割引 | 児童扶養手当の受給者を対象とする制度がある自治体がある |
進学にかかる支援は、高校と大学等で仕組みが分かれます。対象校の確認や要件はひとり親の進学と奨学金で整理しています。
国民年金の免除は、必ず手続きしてください。払わずに放置した未納期間と、免除を受けた期間では、将来の年金の扱いが変わります。
働くための支援
- 自立支援教育訓練給付金。指定の講座を受けた場合に費用の一部が支給されます
- 高等職業訓練促進給付金。看護師、保育士などの資格取得のために修学する期間の生活を支える給付です
- マザーズハローワーク。子育て中の求職者向けの窓口です
お金を借りる
母子父子寡婦福祉資金貸付金は、就学資金、技能習得資金、転宅資金など目的別に分かれた貸付制度です。多くが無利子または低利です。申し込みは市区町村または都道府県の窓口です。
年金の分割
婚姻期間中の厚生年金の記録を分割する手続きがあります。請求には期限があり、令和8年4月1日以後に離婚した場合は5年、それより前に離婚した場合は2年です。以前は一律で2年だったため、古い案内が残っていることがあります。将来受け取る年金額に関わるため、忘れずに確認してください。
年金分割のほかにも期限のある手続きがあります。期限カレンダーでまとめて確認できます。
税の負担を軽くする
ひとり親控除
離婚してひとり親になった場合、所得税と住民税にひとり親控除という所得控除があります。生計を同じくする子どもがいること、本人の所得が一定以下であること、事実上婚姻関係と同様の事情にある人がいないことが要件です。
会社員であれば年末調整の書類に記入するだけで適用されます。記入欄を見落として申告し忘れることが多い項目です。離婚した年の年末調整では必ず確認してください。
年末調整で申告し忘れた場合や、自営業の場合は確定申告で適用を受けます。過去の分についても、さかのぼって還付を受けられる場合があります。
そのほか確認したいもの
- 扶養控除。子どもを自分の扶養に入れる手続きを忘れていないか
- 医療費控除。1年分の医療費が一定額を超える場合
- 社会保険料控除。国民年金や国民健康保険を自分で払った分
控除が増えると所得が下がり、保育料や各種手当の判定にも影響します。税の手続きは、手当の額にもつながっています。
それでも足りないとき
ここまでの制度を組み合わせても暮らしが立たないときは、生活保護の相談先があります。市区町村の福祉事務所が窓口です。
申請をためらう理由で多いのが、親族への連絡です。ただ、生活保護法4条は、資産や能力の活用を「要件」とする一方、扶養義務者の扶養は「優先」すると別の言葉で書き分けています。相談の進め方は離婚後の生活保護、相談先と準備にまとめています。
手続きの進め方
- 離婚が成立したら、まず市区町村の窓口へ行く
- 「ひとり親になったので、使える制度を確認したい」と伝える
- 児童手当の受給者変更、児童扶養手当、医療費助成をその場で確認する
- 国民健康保険と国民年金の手続きを行う
- 保育料と就学援助の再判定を申し出る
- 年金分割は年金事務所へ。期限に注意する
制度の内容と金額は、自治体や年度によって異なります。必ずお住まいの市区町村の窓口で、最新の内容を確認してください。本ページは公的資料・公開情報をもとに作成した一般的な案内です。